【憂鬱展示会】「クリスチャン・ボルタンスキー展」生と死の記憶。来世の向こう側には何がある?

 

やっほい、ゆっき(@yukie_takamura)です。

 

今回訪れたのは、生と死を想起させる憂鬱とした不思議な空間。

「クリスチャン・ボルタンスキー展」です。

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今月12日(水)から92日(月)まで、東京・国立新美術館で開催されています。その後は、長崎で開催されるようです。

 

SNSの声

 

 

 

雰囲気がこれだけでも伝わるのではないでしょうか??

 

わたしは、Twitterで情報が回ってくるまでクリスチャン・ボルタンスキーのことを知りませんでした(汗)

 

ちなみにクリスチャン・ボルタンスキーとは?

ボルタンスキーの創作活動は、短編フィルムの制作に始まる。後に人が歩んできた歴史や文化人類学への関心を土台とし、写真やドキュメント、ビスケット缶などの日用品を組み合わせることで、自己あるいは他者の記憶に関連する作品を多数制作するようになる。

引用: https://www.fashion-press.net/news/45680

 

Twitterでこの展示会を知った瞬間、即座に知識ゼロで飛び込みました!早速レポートします

 

冒頭からもがき苦しむ爆音の声

 

DEPARTという青い入り口の横には、なにやら映像が流れている。

 

「ヴェェッ、ゲホッゲホ、ヴゥヴ」

 

荒い映像の先にはもの凄い勢いで咳き込む男性が映し出されていた。咳が止まらないのか病気なのか度々すごい量の吐血をしている。一人きりでもがき続ける。

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「これを見続けたら絶対錯乱する...

 

なにが起こっているかわからないけど、苦しみと狭苦しさと生きることへの執念が一気に押し寄せてきた。

 

というか冒頭からこれって、この先どなっているんだろうかと好奇心と躊躇う気持ちが入り混じる。

 

ある人々の記憶の部屋

 

最初のエリアにはモノクロの写真が広がっていた。なにを意味しているのかはわからない。幸せそうな平凡な家庭の一ページ。

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https://www.cinra.net/report/201906-christianboltanski


そしてよくわからないオブジェが並んでいる。

 

光と陰を利用した不気味な部屋やコートが一点張り付けられた部屋。

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コートの周りを青い電球が覆っている。キリストの磔のイメージを想像させる作りになっている。

 

心臓が波打つ不気味な部屋

 

電球が心拍音と同時に波打っている。その先にはボルタンスキー本人の顔が投影されたカーテン。変化し続ける顔はなんだか少し気味が悪く思える。

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https://www.cinra.net/report/201906-christianboltanski

 

死を匂わす無数の写真たち

 

新聞の死亡告知欄に掲載されたスイス人の写真が飾られているエリアがある。この人たちがどんな死を遂げたかは書かれていない。

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https://artscape.jp/focus/10153589_1635.html

 

わたし達が想像するしかないのだ。

 

骨壷を想起させる缶ケースが写真の下に並べられていて、「死」を匂わす。

 

ナチスによるホロコーストとの関連性を示唆しているのかなと思ったが、真相は未だにわからない。

 

その先には、写真と電球を使ったモニュメントが祭壇のように配列されている。厳かな雰囲気だ。

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https://artscape.jp/focus/10153589_1635.html

 

顔写真に付けられている電球から伸びているコードが、各方面でグチャグチャに絡まりあっている。人と人は複雑に絡まりあって生きているみたいな意味があるのか。

 

友人に問いかけたら「お前の家の配線みたいだね」とだけ返された。

 

撮影可能スポットへ移動!

 

幽霊の部屋からは撮影がOKということなので、一眼片手に鑑賞。

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ここは幽霊の廊下という作品。なんと、東京展のために作成されたものだそうだ。不気味に揺れ動く幽霊の道を通過すると

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まるで死体が積み重ねられているように見える大きな山が見える。

近くで見ると、黒い服が積み重ねられている。誰の服かは全くわからない。このぼた山を取り囲んでいるのは、ヴェールに包まれた誰かの顔。

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ホロコーストを想起させるような山とそれを取り囲む霊魂のように感じられた。

 

そして、まばらに配置されているコートを着た木の置物は通りがかる人びとに話しかける。哲学的な問いをしているが、何を話したいのかはわからない。

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同じエリア内には、ベルの音が鳴り響く真っ白で神聖な空間があった。床一面に白い紙くず?のようなものが並べられている。

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先に友人が鑑賞していたので「一体、これはなんなの?」と問いかけると「中学二年生の部屋だって、過去の記憶をイメージしたものらしいよ」と教えてくれた。真っ赤な嘘だった。

 

この作品はアニミタスカナダ北部の厳しい気候の中で10時間もに及ぶ過酷な環境の中撮影された映像だそうだ。床一面に広がっているのは、おそらく雪をイメージしたのだろう。

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そして、クジラの鳴き声が響き渡る部屋を越えると…

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「来世」という文字が待ち構えていた。これも本展限定の作品だ。周囲に建てられている不揃いなモニュメントはビルを想起させる。

ポップで明るい色合いだが、先は暗く不安定な精神になる。

 

ここまでが撮影可能スポットだ!

 

ここから先にも面白い展示がたくさんある。展示会初日から毎日3つずつ消えていく電球の集まり金箔のように光波打つ黄金の海など目を奪われる作品が多かった。

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https://artscape.jp/focus/10153589_1635.html

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https://www.cinra.net/report/201906-christianboltanski

 

中でも1番の目玉展示は、大量に吊り下げられた服のエリアだ。古着の香りが漂う。

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抜け殻のように並べられた服からは、着ていたであろう人たちの記憶を想像することができた。

  

個人的に印象に残ったベスト3!

1:咳をする男(どのエリアからも音が聞こる、ズッシリのしかかる重さがある)

2:黄金の海(金色の揺らめきをいつまでも見ていたいと思った)

3:来世(言葉と周囲の雰囲気に見合わない可愛い文字のギャップ)

 

最後にちょっぴり個人的な感想

 

宗教や死を体感させる空間。人の魂が乗り移ったかのようなオブジェや写真は厳かで不思議な空気を醸し出している。

 

脆く息をした作品たちからは「死」を強く感じさせられる。なんだか憂鬱で中毒性がある展示だった!

 

以上、ゆっきでした!!!